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模様 モヨウ

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デジタル大辞泉の解説

も‐よう〔‐ヤウ〕【模様】

織物・染め物・工芸品などに装飾として施す種々の絵や形。また、ものの表面にあらわれた図形。文(あや)。文様。「美しい―の木目」「幾何学的な―」
物事のありさま。ようすや経過。「現場から事件の―をお伝えします」
現時点で推測される状況。「列車は遅れる―だ」
手本。模範。
身ぶり。所作。
名詞の下に付いて、それらしいようすであることを表す。「雨―」「荒れ―」
「そもそも禅宗の―とするところは宋朝の行儀」〈太平記・二四〉
「若衆に茶のたてやうを教ゆべしと、自ら茶をたつる―をなして」〈驢鞍橋・下〉

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岩石学辞典の解説

模様

岩石を作る粒子あるいは他の成分の配列に関する語.岩石の組織(texture)を支配する因子のうちで,岩石を形成する結晶部分などの間の幾何学的および空間的な関係.個々の構成粒子の形状,粒度,結晶学的な方位など相互の配列の仕方,接合の様子などを模様という[片山ほか : 1970].沈澱に関する配列も同じ模様を作り,外部の応力による配列は変形模様を形成する[Pettijohn : 1957].

出典|朝倉書店
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大辞林 第三版の解説

もよう【模様】

装飾として施す絵や形。また,ものの表面にみられる図柄。文あや。文様。 「市松-」 「水玉の-」
ありさま。状態。様子。 「当時の-を話す」 「その場の-で決めよう」 「空-がおかしい」 「雨-」
物事の動向を推測する場合に使う。…らしい様子。 「この分では会議は取り止めになる-だ」 「今年中に渡米する-」
囲碁で,勢力圏をいう語。
てほん。模範。 「俳諧の集の-は,やはり俳諧の集の内にて作すべし/去来抄」
しぐさ。身振り。 〔日葡〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

模様
もよう

文様(もんよう)ともいう。工芸品、あるいは建築物の細部などに、装飾その他の目的で施される形象。生理学的・心理学的にみて、人間は本来空白を避けようとする傾向がある。たとえば、真っ白な壁を凝視していると、目はしだいに疲労する。そのうち目は知らず知らずに白壁の表面に斑点(はんてん)、しみ、亀裂(きれつ)など変化のある箇所をみいだしていることに気づく。積極的な装飾の働きを必要としない場合でさえ、人の目はつねになにかよりどころとなる箇所を求め、それを発見することによって、一種の安らぎを感じるのである。さらに進んで、器物の表面に人の目を積極的にひきつけるある際だった箇所がある場合、視覚はそれに誘導され、対象の観照を深める傾向がある。たとえば、陶器の壺(つぼ)などで、釉薬(うわぐすり)のたまった箇所や、釉薬が流れ際だった箇所がある場合、さらにはコバルトで絵付(えつけ)が施されている場合、その壺に対する関心はより強いものとなるのである。このように模様は、器形や、それが施されている対象そのものを強調し、人の目をひきつける役割をもっているのである。
 多種にわたる模様を分類するについては、さまざまな観点からの操作が可能であるが、ここではこれを「偶成的な模様」と「作為的な模様」に大別し、それぞれの内容を記すことにする。村元雄]

偶成的な模様

材料そのもののなかに、あるいは材料を加工し器物を製作していく工程から模様が生まれてくることがある。これを偶成的な模様とよぶ。たとえば木工芸では、木材を加工すること以上に、種々の木材の美を生かすことが重要とされている。檜(ひのき)、欅(けやき)、栗(くり)、杉など木材はそれぞれ独自の木目(もくめ)をもっており、また同じ材でも板目(いため)と柾目(まさめ)とでは、木目模様の形式が異なっている。これをデザインのなかでどう生かすかが重要な課題なのである。つまり、ここでは模様は施されるものではなく、材料のうちにみいだされ、デザインに生かされるべきものなのである。一方、織物や編物、籠(かご)細工では「織る」「編む」などの製作工程から「縞(しま)」「格子」「菱(ひし)」などの幾何学模様が生まれてくることがある。やがて現れた模様に関心が芽生えると、経(たて)・緯(よこ)に違った色糸を用いたり、織法をくふうしたりして、より効果的な模様表現に努め、ときにはこれらの模様を、織物や編物以外の工芸品の装飾に用いることもあったであろう。土器の成形のために施された「縄文(じょうもん)」や「ろくろ目」などもこの範疇(はんちゅう)に入る模様である。また、工芸品は、特定の技術を用いて材料を加工し完成するのであるが、ときにはその工程のなかで人為を超えた自然の力が加わり、予期せぬ模様が生まれることがある。陶芸における窯変(ようへん)はその代表的なものである。村元雄]

作為的な模様

作意的な模様とは、偶成的な模様に対して工人が意識的に施した模様をさす。普通一般に模様とよばれているものすべてがこれにあたる。これを分類すると、幾何学模様、抽象模様、具象模様の3類に大別される。村元雄]
幾何学模様
点・線から構成された純粋に無機的な模様で、縞、格子、立涌(たてわく)、鋸歯(きょし)、水玉などがその典型的なものである。外形上、幾何学模様と抽象模様を区別することがむずかしい場合もあるが、抽象模様は元来、自然のある対象を抽象的に表現したもので、形式は幾何学模様に近くとも、本質的には有機的な模様である点が異なっている。村元雄]
抽象模様
象徴としての役割を課せられたものが多い。模様に呪術(じゅじゅつ)的ないし宗教的意味内容を託した場合、あからさまな外観上の特徴を故意に隠し、神秘的な力を添えようとする傾向がみられる。オリエントや古代中国にはこの種の抽象模様が多い。また唐草(からくさ)模様は、植物としての純然たる特色が備わっていても、その本来的な特質は植物としての形象にあるのではなく、抽象的な唐草軸のリズミカルな動きにあり、抽象模様のうちに含めて考えるべきであろう。村元雄]
具象模様
動物、植物、天象、器物など、自然界のさまざまな具体的な対象を主題に取り上げたもので、日本の模様の大半はこれに属している。村元雄]

模様の形式

模様はその構成から、以下の三つの形式に分類することができる。村元雄]
紋章形式
紋章は個人や家柄のしるしとして、洋の東西、期せずして12世紀に成立したものであるが、ここにいうのはかならずしも紋章自体をさすのではなく、それに近い形式の模様をいう。(1)対称形 モチーフを対称形に布置して、これによって紋章に似た形式をとるものである。たとえば、奈良時代の(ろうけち)にみられるように、花樹の下に水鳥を対称形に配して、鳥の列と花輪がこれを取り囲む模様などがあげられよう。これはイランの聖樹模様の変形で、シルク・ロードを経て、隋(ずい)・唐時代の中国に伝えられ、さらに日本にもたらされたものである。この形式は有職(ゆうそく)模様の桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん)などにもみられるが、日本ではあまり賞用されなかった。(2)団花形 小花文を中心として、これから放射状にモチーフが展開し、全体が1個の大きな花模様にみえる形式である。唐花(からはな)文はその代表的なものである。この形式は中国の唐代に流行し、日本では奈良時代の錦(にしき)や綾(あや)に数多くみられ、また彩絵や螺鈿(らでん)、平文(ひょうもん)などの装飾にも用いられた。組織的、構築的な団花形は、元来、織物の模様として生まれたものであろう。平安時代以降は、有職模様の「浮線綾(ふせんりょう)」とか「八つ藤(ふじ)」などの形で存続する。対称形、団花形を含めて紋章形式は通常、格式高い模様の形式として用いられた。村元雄]
文様形式
1種または数種のモチーフを反復する形式。通常、縁飾りや地文として用いられることが多い。たとえば連珠(れんじゅ)文、唐草文などのように、左右または上下の方向に線的に展開する縁飾り風のものと、水玉文、鱗(うろこ)文、亀甲(きっこう)つなぎ、麻の葉つなぎなど、左右と上下の方向に同時的に、つまり面的に展開する地文風の形式とがある。いずれも、洋の東西、時代を超えて使用される模様である。村元雄]
絵様形式
絵画的な模様をいう。すなわち、絵画に近い写生風な表現、規則正しい枠づけをもたない自由な形式の模様をいう。ことに日本の模様にこの形式が多いのは、模様に季節感とか詩情といった心の世界を表出しようとしたためであろう。村元雄]

模様と寓意

器物などに施された模様は、ただ美しく器物を引き立たせるという機能のほかに、時代や国民性、社会や宗教的思想を反映し、さらにそれを使用する人々の教養や伝統的な感じ方から、模様に意味内容を託すことが多い。村元雄]
シンボル
たとえばキリスト教の「鳩(はと)」「葡萄(ぶどう)」「仔羊(こひつじ)」「十字」、仏教の「蓮華(れんげ)」「卍(まんじ)」など、宗教関係の模様に多くみられる。つまり、動植物あるいは抽象的、幾何学的な形象のなかに信仰上、思想上の意味内容を託したものがそれである。村元雄]
吉祥模様
「松竹梅」「宝づくし」「菊水」など、主として延寿多祥を寓(ぐう)した、めでたい模様で、ことに結婚や出産の祝儀、そのほか喜びの行事に伴う諸道具に施されることが多い。村元雄]
歌絵模様
日本では古来、衣装や日ごろ座右に置く手箱や硯箱(すずりばこ)に、古歌を題材とした模様を施すという伝統がある。つまり、身分卑しからぬ者の教養であった古典文学、とくに和歌を手だてとして、現実の生活のなかにも風雅の道を求めようとして、この種の模様が愛用されたのである。元来、この種の模様は平安時代の貴族の一種の遊びに始まる。人々にその模様を見せて、よりどころとなった歌を当てさせ、ひそかにその人物の教養度を計ったり、あるいは歌意を説明して自慢したりしたものであろう。その後、時代とともに人々の古典に対する教養が低下し、しだいに文字が書き加えられ、文字数が多くなり、ついには、きわめて有名な和歌に限られるようになった。村元雄]
葦手模様
模様と文字とが一体となった形式。たとえば、流れに岩や葦を配しているとみられる模様で、実は岩や葦が文字で、これが模様風に記されているもの。歌絵模様とともに、平安貴族の趣向によって生まれたもので、ときには両者が一体となり、文字を探って歌を当てるという、一種の絵解きの鍵(かぎ)として葦手が使用されることもあった。時代が下り絵解きが困難になると、文字を隠さずあからさまに記したり、文字による一種の散らし模様となった。文字を模様として使用する例は、近代まで日本以外の国ではあまりみられなかった。もっともアラベスク模様には、唐草とアラビア文字とが結び付いたものがあり、ヨーロッパ中世の書物には美しい花文字の装飾がみられるが、いずれも限られた分野において用いられ、日本の葦手や文字模様のように独自の性格をもったものではない。村元雄]
物語絵模様
たとえば『伊勢(いせ)物語』や『源氏物語』など古来著名な物語の一節に取材し、物語にちなむ事物を模様としたもの。沢辺に咲きそろうカキツバタに八橋(やつはし)を配して『伊勢物語』を連想させ、扇に白いユウガオの花を一枝添えて『源氏物語』の「夕顔」の一段をしのばせるといった趣向の模様がそれである。ヨーロッパの物語絵的な模様では、たとえばギリシアの赤絵や黒絵の壺の神話を題材にした模様にみられるように、物語の一場面を挿絵風に描いた叙事的な模様が多い。これに対して日本の物語絵模様では、前述のように『伊勢物語』や『源氏物語』に取材しながら、叙事的なものに走ることなく、草花に託して物語の叙情を訴えるという、きわめて象徴的な表出法をとっているところに特色がある。歌絵模様、葦手模様とともに物語絵模様にも、日本の模様の情趣的な性格が顕著に認められるのである。村元雄]
舞台模様
江戸時代には、当時流行の人形浄瑠璃(じょうるり)や歌舞伎(かぶき)の小道具に模様の題材を求め、これによって舞台を連想させたものや、歌舞伎役者の舞台衣装の模様をひいき客が競って模倣し、流行のもととなったものが多い。前者には、たとえば『当流小栗判官(おぐりはんがん)』を表す「碁盤に梯子(はしご)」の模様、後者には「市松模様」「三升(みます)格子」「芝翫縞(しかんじま)」などがある。村元雄]
隠語模様
江戸時代に入り庶民の経済力が高まるとともに、庶民の好みにあった遊戯的な模様が現れることとなった。ことに、黄表紙をはじめとする、当時の庶民文学にしばしばみられる語呂(ごろ)のあった語句を模様とすることが流行した。たとえば、吉祥模様の一つとして賞用された「南天」模様は、「難転」とかけて、「難を転じて幸となす」と解いたものである。また有名な「鎌輪(かまわ)ぬ」模様も、当時の町奴(まちやっこ)が「かまやせぬ」と粋(いき)がって染め出した浴衣(ゆかた)の模様である。そのほか、歌舞伎の舞台衣装から生まれて流行した「斧(よき)こと菊」模様、「鎌い枡(ます)」模様などがある。
 また隠語模様には、語呂をあわせたもののほか、分析型とでもいうべき模様がある。たとえば、指樽(さしだる)に蒔絵(まきえ)で水鳥の模様を表したものは、入れる酒の文字を分析して水に酉(とり)、すなわち水鳥と解き、しゃれたものである。いずれも江戸時代の庶民気質(かたぎ)を映したもので、題材が奇抜で、謎(なぞ)解きの興味があり、まことに粋な模様が多い。村元雄]
『溝口三郎編『日本の美術 29 文様』(1968・至文堂) ▽岡登貞治編『文様の事典』(1968・東京堂出版) ▽今永清二郎編集『日本の文様』全18巻(1986~89・小学館)』

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世界大百科事典内の模様の言及

【文様】より

…物の表面を飾るためにつけられた図様を文様という。文様は紋様あるいは模様(もよう)とも書かれる。普通には,装飾史において,様式化したモティーフの単位を,その構成原理にもとづく学問的な対象としてみる場合に〈文様〉の術語を使う。…

※「模様」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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