化学辞典 第2版 「スピントラッピング」の解説
スピントラッピング
スピントラッピング
spin trapping
短寿命のラジカルを分光学的に検出したい場合,そのラジカルを不飽和結合をもった分子と反応させ,長寿命のラジカルに変換させて検出する方法.短寿命のラジカルと反応させる分子を,スピン捕そく剤あるいはスピントラップ(spin trap)という.また,ラジカルとスピン捕そく剤との反応によって生成した長寿命ラジカルを,スピン付加体あるいはスピンアダクト(spin adduct)という.N-ベンジリデン-t-ブチルアミン=N-オキシドはよく用いられるスピン捕そく剤であり,ラジカルと反応して安定なニトロキシドラジカルをスピン付加体として与える.この方法は,さまざまな熱反応,光化学反応,あるいは生体内反応に関与するラジカル中間体の検出に利用されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報