不飽和結合(読み)フホウワケツゴウ(その他表記)unsaturated bond

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精選版 日本国語大辞典 「不飽和結合」の意味・読み・例文・類語

ふほうわ‐けつごうフハウワケツガフ【不飽和結合】

  1. 〘 名詞 〙 鎖状炭素化合物の炭素原子間にある二重結合、または三重結合。化合物分子が分解することなしに、さらに別の原子または分子が結合できる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「不飽和結合」の意味・わかりやすい解説

不飽和結合
ふほうわけつごう
unsaturated bond

共有結合において、単結合以外の結合状態をいう。多重結合multiple bondともいう。

 一般に単結合は、二つの原子に属する電子の電子雲が重なり合ってσ(シグマ)結合をつくる。しかし、2個または3個の電子が結合にあずかるとき、σ結合のほかに、一または二つのπ(パイ)結合をつくる。これらがそれぞれ二重結合、三重結合である。π結合は、σ結合に比べて結合エネルギーが弱く、反応性に富む。

 古典有機化学者は、単結合からなる炭素化合物が、四価の原子価がすべて使用されていて安定と考え、これを飽和炭化水素と名づけた。これに対し、π結合をもつ場合には、まだ結合に余裕があり「不飽和」であるとしてこの名前をつけた。エタンに対するエチレンアセチレンは不飽和結合をもつ炭素化合物である。しかし芳香族化合物では、二重結合をもっていても不飽和とはいわない。これは共役二重結合になっていて、それ自身が安定なためである。

[下沢 隆]

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