英語教育を重点的に行う高等学校および中高一貫教育校。文部科学省が2002年度(平成14)から2009年度までの7年間、「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」の一環として、実践的な英語教育法を研究するため、指定校を決めて実施した。英語名称Super English Language High Schoolの頭文字をとってSELHi(セルハイ)ともよばれた。2002年度の第一期指定校は16校で、7年間で国公私立あわせて169校を指定した。指定期間は原則3年で、指定校では、学習指導要領の枠にとらわれずに、まったく日本語を使わない授業、一部教科の英語での実施、ディベート力強化授業、会話力を身につける少人数授業、インターネットなど最新情報機器と組み合わせた授業などが行われた。指定校には研究費(補助金)が支給され、先進的な英語教育カリキュラムの開発や、中学―高校―大学と続く効果的な英語教育のあり方などの研究を実施、この成果を先進事例として全国の高校へ普及させる計画であった。
文部科学省は、スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールへの指定で、指定校生徒のヒアリング力、読解力、英作文力、文法力などが向上し一定の成果はあがったとしている。しかし指定校の英語力が他校より、ぬきんでた水準に達したわけではなく、文部科学省はスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール事業を2009年度で打ち切り、「英語教育改善のための調査研究事業」に引き継いだ。
[編集部]
(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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