文部科学省(読み)もんぶかがくしょう

日本大百科全書(ニッポニカ)「文部科学省」の解説

文部科学省
もんぶかがくしょう

文部科学省設置法によって設置された国の行政機関。2001年(平成13)1月の中央省庁再編に伴い、文部省科学技術庁が再編統合して誕生した。

 文部科学省は、教育の振興および生涯学習の推進を中核とした創造的な人材の育成、学術、スポーツおよび文化の振興、さらに科学技術の総合的な振興を図ることを任務とし、これらの事項および宗教に関する国の行政事務を一体的に遂行する責任を負っている。その所掌事務は、生涯学習、初等中等教育の振興に関する企画・立案、大学および高等専門学校における教育の振興に関する企画・立案、私立学校に関する行政の制度の企画・立案、外国人に対する日本語教育、科学技術に関する基本的政策の企画・立案、原子力政策のうち科学技術に関するもの、文化の振興・助成、劇場等の文化施設、著作権の保護・利用、宗教法人の規則等の認証等である。同省の組織としては、その長は文部科学大臣であり、中央省庁再編に伴い、大臣のリーダーシップを補佐するものとして、文部科学副大臣、文部科学大臣政務官という特別の職が新たに設置された。内部部局には大臣官房のほか、生涯学習政策局、初等中等教育局、高等教育局、科学技術・学術政策局、研究振興局、研究開発局、スポーツ・青少年局がある。中央教育審議会、大学設置・学校法人審議会、科学技術・学術審議会、原子力損害賠償紛争審査会などの審議会等がある。施設等機関として、国立教育政策研究所、科学技術・学術政策研究所がある。また、文部科学省の施設等機関であった国立大学は2004年4月から国立大学法人として法人化された。同時に国立歴史民俗博物館や国立天文台などの大学共同利用施設も独立法人となった。文部科学省の特別の機関として日本ユネスコ国内委員会、日本学士院、地震調査研究推進本部が、また外局として文化庁が置かれている。そのほか、文部科学省所管の独立行政法人として、国立青少年教育振興機構、日本学術振興会、国立科学博物館などがある。

[山田健吾]

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百科事典マイペディア「文部科学省」の解説

文部科学省【もんぶかがくしょう】

中央省庁等改革基本法により,文部省科学技術庁を統合して2001年1月に発足した中央行政機関。内部部局7のほか,外局に文化庁がある。なお,科学技術政策については内閣府に〈総合科学技術会議〉が新設され,その大綱を決定する。また,科学技術庁所管の原子力行政に関する〈安全〉業務は,資源エネルギー庁経済産業省の外局)の〈原子力安全・保安院〉に移された。
→関連項目京都大学iPS細胞研究所国立国語研究所日本学術振興会文化審議会

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デジタル大辞泉「文部科学省」の解説

もんぶかがく‐しょう〔モンブクワガクシヤウ〕【文部科学省】

国の行政機関の一。教育の振興、生涯学習の推進を中心とした創造的な人材育成、学術・スポーツ及び文化の振興、ならびに科学技術の総合的な振興、宗教に関する行政事務を担当する。平成13年(2001)に文部省科学技術庁が統合して発足。外局に文化庁がある。文科省MEXTメクスト(Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「文部科学省」の解説

文部科学省
もんぶかがくしょう
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology

教育,科学技術・学術,スポーツ,文化を司る国の行政機関。教育の振興および生涯学習の推進を中核とした豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成,学術,スポーツおよび文化の振興と科学技術の総合的な振興をはかるとともに,宗教に関する行政事務を行なうことを任務とする。外局としてスポーツ庁文化庁が置かれている。2001年の中央省庁再編により,文部省科学技術庁の一部を統合して設置された。

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精選版 日本国語大辞典「文部科学省」の解説

もんぶかがく‐しょう モンブクヮガクシャウ【文部科学省】

〘名〙 教育の振興、生涯学習の推進を中心とした創造的な人材育成、学術、スポーツ及び文化の振興、ならびに科学技術の総合的な振興、宗教に関する行政事務を担当する国の行政機関。平成一三年(二〇〇一)に文部省と科学技術庁を統合して発足。外局として文化庁を置く。

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大学事典「文部科学省」の解説

文部科学省
もんぶかがくしょう

国家行政組織法に基づいて設置される日本の国家行政機関の一つで,教育行政事務の実質的な管理・執行機関である。英語名称が示すように,教育だけでなく,文化,スポーツ,科学技術の振興や普及もその所掌事務としている。前身の文部省が設置されたのは1871年(明治4)である。戦時期に軍国主義化や思想統制の一翼を担ったことから,第2次世界大戦後には解体論もあったが,民主化・地方分権化の方向で改組され存続することとなった。2001年(平成13)の省庁再編により,科学技術庁(1956年設置)と統合され,現在の文部科学省となった。本省と外局の文化庁,スポーツ庁で構成されており,本省内部には大臣官房のほか,生涯学習政策局,初等中等教育局,高等教育局,科学技術・学術政策局,研究振興局,研究開発局が置かれている。また,所轄機関として国立教育政策研究所,科学技術・学術政策研究所,日本学士院,地震調査研究推進本部,日本ユネスコ国内委員会がある(2017年現在)

 文部科学省の任務は「教育の振興及び生涯学習の推進を中核とした豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成,学術及び文化の振興,科学技術の総合的な振興並びにスポーツに関する施策の総合的な推進を図るとともに,宗教に関する行政事務を適切に行うこと」であり(文部科学省設置法3条),これを果たすために「豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成のための教育改革に関すること」を筆頭に,約90もの所掌事務が規定されている(同法4条)。大学・高等教育関係では,教育の振興に関する企画・立案と援助・助言,教育のための補助,教育の基準の設定,設置・廃止,設置者の変更等の認可,入学者の選抜と学位の授与,奨学・厚生・補導,留学生の受入れと派遣などの事務を司るとされている。これらを受けて高等教育局(文部科学省)は,大学・大学院の振興(大学の質の保証,大学教育改革の支援など),奨学金事業,私立学校の振興,留学生交流の推進などに取り組んでいる。また研究関係では,学術研究の推進(科学技術・学術政策局),産官学連携の推進(研究振興局)等を行っている。

 第2次大戦後,文部省は「教育の民主化を推進するにふさわしい中央教育行政機構」として,戦前の中央集権的な「監督行政の色彩を全面的に払拭した」「教育,学術,文化のあらゆる面について指導助言を与え,これを助長育成する機関」とすることとされた(1949年の文部省設置法の国会審議より)。文部科学省が担う教育行政の第1の特徴は,理論上は,権力的性格のきわめて強い警察行政や税務行政の対極にあり,保育的・助長的性格(文部科学省)を有することである。法律の定めがある場合を除き命令や監督を行わず,指導・助言・援助といった非権力的行為を内容とする行政である。これは,教育が不当な支配に服することのないよう教育に高度の自主性と専門性が要請されているためとされている。第2の特徴は基準設定(文部科学省)を行う点であり,文部科学省の長である文部科学大臣は,教育に関する国家的基準を設定する権限を有している。そのおもなものとしては,学校の施設・設備や組織編制にかかわる学校設置基準(学校教育法3条)と教育内容にかかわる教育課程基準(学校教育法33条など)がある。大学設置基準,短期大学設置基準,大学院設置基準は前者に該当する。後者は学習指導要領や教科書に関するもので,教育の自由の観点から批判もなされている。

 大学・高等教育に関して,文部科学省(文部省)は2000年代前半頃までは高等教育計画に基づき,量的拡大を抑制する政策を採ってきた。しかしながら,規制改革の動きを背景に,高等教育計画を放棄し,事前規制型から事後チェック型へと方針を転換してきている。教育に関しては,1991年(平成3)の大学設置基準の大綱化以降,大学教育の多様化を推進するとともに,評価システムの強化による質保証を進めている。また近年ではGP(グッド・プラクティス)などの競争的資金の導入により,教育改善の政策的誘導を行っている。
著者: 服部憲児

参考文献: 教育制度研究会編『要説 教育制度 新訂第三版』学術図書出版社,2011.

参考文献: 坂野慎二「高等教育政策と国の関係性」『日本教育行政学会年報』39,2013.

参考文献: 高見茂・服部憲児編著『教育行政提要(平成版)』協同出版,2016.

参考文献: 文部科学省:http://www. mext. go. jp/

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