化学辞典 第2版 「セレノニル」の解説
セレノニル
セレノニル
selenonyl
で示される二価の基.無機化合物では,たとえば,二フッ化セレノニルSeO2F2(二酸化フッ化セレン,ジオキシ二フッ化セレンともいう).フルオロ硫酸とセレン酸バリウムとの反応,SeO3とKBF4またはSeF4との反応などで得られる.無色の気体.分子はSe中心の正四面体型で,Se-O1.58 Å,Se-F1.69 Å.∠F-Se-F94°,∠O-Se-O126°.融点-99.5 ℃,沸点-8.4 ℃.水で加水分解する.有機物と反応してSeOF2になる.有機化合物では,ジアルキル化合物R2SeO2は不安定であるが,ジアリール化合物Ar2SeO2は比較的安定で得られている.たとえば,セレノニルジベンゼン(C6H5)2SeO2(フェニルセレノニルベンゼン,ジフェニルセレノンともいう)は,ジフェニルセラン(C6H5)2Se,またはセレニニルジベンゼン(C6H5)2SOを,アルカリ性でKMnO4などで酸化すると得られる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報