化学辞典 第2版 「テトラニトロシル鉄」の解説
テトラニトロシル鉄(0)
テトラニトロシルテツ
tetranitrosyl iron(0)
Fe(NO)4.(N2O2)2- で架橋している二量体 [Fe(NO)4]2 = [{Fe(NO)3}2(μ-N2O2)](351.7)で,IUPAC体系名はμ-ビス(オキシドニトラト)(N-N)(2-)ビス(トリニトロシル鉄(1+))([μ-bis(oxidonitrato)(N-N)(2-)]bis[trinitrosyliron(1+)]).Fe(CO)5をオートクレーブ中でNOと45 ℃ で反応させると得られる.黒色の結晶.室温でもかなり解離圧が大きく,空気中に放置すると発煙し,しだいに酸化される.反応性が高く,硫酸水溶液との反応では [Fe(H2O)5(NO)]2+ に,KHSとの反応では K2[Fe(NO)2S]2 に,C2H5SHとの反応では[Fe(NO)2S(C2H5)]になる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報