化学辞典 第2版 「デンプン-ヨウ素複合体」の解説
デンプン-ヨウ素複合体
デンプンヨウソフクゴウタイ
starch-iodine complex
デンプンの直鎖成分であるアミロースは,6個のグルコース残基で1巻きするらせん構造(径約13 Å,ピッチ約8 Å)をとっており,そのらせん軸にそって1巻き当たり1分子のヨウ素が入り込むことにより複合体をつくり,特有の青色(λmax 650 nm)を呈する.その吸収極大波長は,アミロース鎖が長くなるほど長波長側に移動する.他方,分枝構造をもつアミロペクチンは,ヨウ素との結合力が弱く,赤紫色(λmax 540 nm)を呈する.[別用語参照]ヨウ素-デンプン反応
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報