他方(読み)タホウ

デジタル大辞泉 「他方」の意味・読み・例文・類語

た‐ほう〔‐ハウ〕【他方】

ほか方面。別の方向。また、二つのものの、もう一方。「一方は丸、他方は四角」
(副詞的に用いて)ほかの方面から見ると。一方。「他方、悪いこととは必ずしもいえない」
[類語]片方片一方片割れ一方一面半面他面側面片側片面片端一端一半一環片鱗一面的一方的サイド

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精選版 日本国語大辞典 「他方」の意味・読み・例文・類語

た‐ほう‥ハウ【他方】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ほかの方向。他の方面。他面。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「自分が一方に『遊び』暮し乍ら他方に於てもともと好きな『勉強』に」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の散歩)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐贈崔融詩〕
  3. たほうせかい(他方世界)」の略。
    1. [初出の実例]「若有別願、雖他方、是自在生滅非業報生滅」(出典:往生要集(984‐985)大文二)
    2. 「他方の諸仏・極楽に参り集り給へらむも」(出典:栄花物語(1028‐92頃)鳥の舞)
    3. [その他の文献]〔経律異相‐七・琉璃王滅釈種〕
  4. たほう(他邦)
    1. [初出の実例]「郷里を脱走して他方に遁逃(とんたう)せんと、決議する者の如し」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二六)
    2. [その他の文献]〔魏志‐文徳郭皇后伝〕
  5. ある事柄について、今まで述べてきたのとはちがう、別の面から見て述べようとするときに用いる語。副詞的に用いる。一方。一面。

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普及版 字通 「他方」の読み・字形・画数・意味

【他方】たほう(はう)

別のところ。唐・杜審言〔崔融に贈る、二十韻〕詩 十年宦(ばくくわん) 里、各他方

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