データエコノミー(読み)でーたえこのみー

デジタル大辞泉 「データエコノミー」の意味・読み・例文・類語

データ‐エコノミー(data economy)

実社会で、個人それぞれの行動企業活動が生み出す膨大なデータを活用する、新たな経済活動

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「データエコノミー」の解説

データエコノミー

企業や個人の活動から生まれる膨大なデータを、競争力として活用する新たな経済を指す。企業が生み出す産業データはもとより、個人がインターネットを利用することで生まれる、通販サイトの利用履歴や、動画配信、音楽配信サービスの閲覧履歴等の大量のデータは、現在の情報化社会において非常に価値がある。GAFAと呼ばれる、「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」をはじめとする世界中の著名なIT企業は、これらのデータを分析し、活用することで、成長を遂げ、世界経済をけん引するほどの影響力を持っている。2000年初頭の世界の時価総額ランキング上位には、石油関連企業が名を連ねていたのに対し、近年では、GAFAをはじめとするIT企業がランキングの上位を占めている。また、データの利活用が、かつての石油のように、企業の成長に必須である資源と見なされ、「データは21世紀の石油」と言われることもある。今後、AI(人工知能:Artificial Intelligence)やIoT(もののインターネット:Internet of Things)が普及すれば、データエコノミーによる社会への影響が大きくなるため、データの利活用には、ルールの高度な整備や個人の権利意識が一層重要となる。欧州連合(EU)では、個人データの保護を目的とした「EU 一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)」が18年5月から施行され、個人データが何のために、どのように処理され、誰に開示されるか等といった説明義務が強化されている。また、GDPRでは、EUを含む欧州経済領域(EEA)内で取得した氏名やメールアドレス、クレジットカードの番号といった個人データを領域外へ移転することを原則禁止しており、施行後は、EU市民の個人情報の保護に対する権利意識も高まるなど、データエコノミー社会の基盤作りが進められている。

(横田一輝 ICTディレクター/2019年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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