ニクシチ(その他表記)Niks˘ić

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニクシチ」の意味・わかりやすい解説

ニクシチ
Niks˘ić

モンテネグロ西部,ゼータ川渓谷に位置する都市。古代ローマ人が古代部族の集落跡だったこの地にアナガストゥム砦を建てたといわれる。 12世紀にはオノゴスト,1355年頃にはモンテネグロ人によってニクシチと呼ばれるようになった。 1455~1877年オスマン帝国の支配下に置かれた。重要な工業都市であり,大手の製鋼所,製鉄所,ビール工場,製材工場,木工所,水力発電所がある。またヨーロッパ有数のボーキサイトの産地。第2次世界大戦後,遅れていたモンテネグロの開発が計画的に進み,ニクシチでは新しい建物や公園,公共施設などが整備された。ゼータ川には古代ローマの橋がかかり,近郊のザブルフ遺跡にはアナガストゥムの集落跡などがある。歴史ある聖ペテロ聖堂の周辺には,中世の終わりに絶滅したボゴミール派墓地がある。地域の歴史や文化をテーマにした博物館 (1951設立) のほか,モンテネグロ大学の哲学部もある。人口5万 7600 (2003) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android