中世(読み)チュウセイ

デジタル大辞泉 「中世」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐せい【中世】

歴史時代区分の一。古代近世との間。主として封建社会時代
日本史で、鎌倉時代室町時代をさす。近世にあたる安土桃山時代江戸時代を後期封建社会とよぶのに対して、前期封建社会とよぶことがある。
西洋史で、ローマ帝国分裂の4世紀末から、15世紀の東ローマ帝国滅亡および16世紀にかけてのルネサンスおよび宗教改革に至る時代をさす。

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精選版 日本国語大辞典 「中世」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐せい【中世】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ある事柄のはじまった時点からある程度年代を経た、また現在からもある程度年代のへだたった時代。なかむかし。中古。
    1. [初出の実例]「中世〈略〉千光国師栄西入宋得茶而帰本朝」(出典雍州府志(1684)六)
    2. [その他の文献]〔書経‐無逸伝〕
  3. 歴史の時代区分の一つ。中世紀。
    1. (イ) 日本史で、古代のあとにつづく、近世以前の時期。鎌倉時代・室町時代をさす。近世にあたる安土桃山・江戸時代を後期封建社会と呼ぶのに対して、前期封建社会と呼ぶことがある。
    2. (ロ) 東洋史で、中国を中心に、春秋戦国から明・清時代まで、唐末宋初から明・清時代まで、魏晉南北朝から隋・唐時代までの三説がある。
    3. (ハ) 西洋史で、ローマ帝国の末期の五世紀から、東ローマ帝国滅亡の一五世紀の中頃にいたる時代。
      1. [初出の実例]「中世と称するは其時代の極りなしといへども、大概七百年来一千四百年迄を以て称するなり」(出典:百学連環(1870‐71頃)〈西周〉一)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中世」の意味・わかりやすい解説

中世
ちゅうせい

時代区分の一つ。この概念ヨーロッパ史において,ルネサンス期に成立し,古典文化の時代と古典文化の復活した時代との中間を意味した。中世とは封建時代を意味し,今日では,普通4~5世紀から 15世紀頃までの時代をいう。日本史では,ヨーロッパの中世の概念を受入れ,普通,鎌倉時代から戦国時代までを中世としており,封建時代即中世という習慣は固定していない。

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防府市歴史用語集 「中世」の解説

中世

 歴史の時代区分の1つで、古代と近世の間にあたります。日本では鎌倉幕府の成立から江戸時代の始まりまでを指し、12世紀の末から16世紀終わりまでです。

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世界大百科事典(旧版)内の中世の言及

【安土桃山時代】より

…時代区分のうえでは江戸時代と合わせて近世(幕藩体制)にあたり,封建社会が成立・展開する時期である。 安土桃山時代の評価は,先行する中世(鎌倉・室町時代)を封建社会とみなすか否かによって大きく区別される。中世にすでに封建制が成立しているという前提に立つ見解からは,(1)封建制再編成説,(2)純粋封建制説,(3)初期絶対主義説が出されており,中世を前期(分権的)封建制,近世を後期(集権的)封建制と呼び分けている。…

【時代区分】より

…しかし時代区分の区分原理が全歴史に適用されるのでなければ,時代区分としては恣意的といわなければならない。 便宜的な時代区分として今日もっとも広く使われているのは,古代・中世・現代(近代)という三時代区分であるようにみえる。それは16世紀ヨーロッパのルネサンス運動の中で,この運動の指導者たちが,これから出発すべき新しい時代を〈現代〉,これに改新の手段を与える模範とすべきギリシア・ローマの古典古代文明を生んだ時代を〈古代〉,その中間のキリスト教中心の時代を〈中世〉ととらえたことに由来する。…

【中世社会】より


【時代区分と特質】
 日本の近代史学史のなかで,中世という時代区分が定着したのは,西欧の封建制と日本の鎌倉・室町・戦国時代の社会との酷似を見いだした原勝郎,福田徳三,中田薫らによってであり,そこで中世は,近世と規定された江戸時代とは異なる一個の時代としてとらえられたのである。この見方は第2次大戦後,封建制を農奴に対する領主の支配(農奴制,領主制)に基礎をおく社会とする石母田正らのマルクス主義史家に継承された。…

※「中世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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