ノンベルク尼僧院(読み)ノンベルクにそういん

世界の観光地名がわかる事典 「ノンベルク尼僧院」の解説

ノンベルクにそういん【ノンベルク尼僧院】

オーストリア北西部の都市ザルツブルク(Salzburg)旧市街の南、ホーエンザルツブルク城があるメンヒスベルクの丘(岩山)の中腹に建っている、ベネディクト派の修道院。715年ごろに聖ペルトが創設した、アルプスより北のドイツ語圏では最古の女子修道院である。現在の後期ゴシック様式の建物は、1471年に建てられたもので、丘の頂上のホーエンザルツブルク城に行くことができるケーブルカーの下に位置する駅の東にある。この修道院は、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の冒頭、主演女優ジュリー・アンドリュース演じるマリアがトラップ家の家庭教師になるまで、修道女として住んでいたところとして登場する。修道院の内部は非公開だが、教会は見学できる。教会内部には美しい宗教画(1150年ごろのフレスコ画)や見事な彫刻が施された主祭壇が、地下には初代の院長を務めた聖エレントラッドの墓所がある。この尼僧院からはザルツブルクの旧市街を見下ろすことができる。近くには同じべネディクト派のサンクトペーター修道院がある。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android