ハロゲン間化合物(読み)ハロゲンカンカゴウブツ

化学辞典 第2版 「ハロゲン間化合物」の解説

ハロゲン間化合物
ハロゲンカンカゴウブツ
interhalogen compound

2種類のハロゲンX,Y間の化合物群.二元化合物では,化学式をXYn(ただし,XがYより原子番号が大)とすると,n = 1,3,5,7のものがある.n = 1:ClF,BrF,BrCl,ICl,IBr(IFはない).n = 3:ClF3,BrF3,ICl3n = 5:BrF5,IF5n = 7:IF7.これらの化合物は,常温ではIBr(融点約41 ℃)が固体である以外は,普通,気体または液体である.フッ化物の多くは無色で,ほかには赤~黄色に着色したものがある.あまり安定ではないが爆発性ではない.ハロゲン単体に似た酸化力をもち,フッ素を含むものはフッ化物をつくる反応を起こしやすい.このほかにいくつかの三元化合物(たとえば,ICl2F,IClF2など)もある.そのほか,2種類(または3種類)のハロゲンによる陰イオン(たとえば,Br2Cl,I2Br2Cl,ClF6,IF8など)や,陽イオン(たとえば,ClF2,IBrCl,BrF4,IF6など)も存在する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のハロゲン間化合物の言及

【ハロゲン】より

…種々の酸化物やオキソ酸をつくり(たとえば塩素ではCl2O,Cl2O7,HClO,HClO2,HClO3,HClO4など),その中のハロゲンの酸化数はI,III,V,VIIのいずれかのことが多い。またBrCl,BrF3,IF7など,種々の組成のハロゲンどうしの化合物(ハロゲン間化合物)や,I3,I5,I7,ICl2,BrF4などのポリハロゲン化物イオンを含む化合物も知られる。【曾根 興三】。…

【ハロゲン化物】より

…フッ(弗)化物,塩化物,臭化物,ヨウ(沃)化物およびアスタチン化物の総称で,ハロゲン元素とそれよりも電気陰性度の小さい元素との化合物をさす。ハロゲン元素どうしの化合物はとくにハロゲン間化合物と呼ばれ,またハロゲン化物(ハロゲン間化合物を含む)とハロゲンとの付加物をポリハロゲン化物と呼ぶ。これらをすべて含めてハロゲン化物と呼ぶこともある。…

※「ハロゲン間化合物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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