バルチェスク(その他表記)Nicolae Bǎlcescu

改訂新版 世界大百科事典 「バルチェスク」の意味・わかりやすい解説

バルチェスク
Nicolae Bǎlcescu
生没年:1819-52

ルーマニアの政治家,歴史家。ワラキアの小貴族の出身。1848年2月留学先のパリで二月革命に参加,帰国して5月に革命委員会を設立,6~9月のワラキア革命の指導者の一人となった。思想的には急進派を代表して農奴解放,普通選挙,共和政を主張した。オスマン帝国軍隊による革命の鎮圧後トランシルバニアへ赴き,ルーマニア人の蜂起農民とハンガリー革命軍との民族的対立の調停工作を行ったが実現せず,フランス,イタリアへ亡命,パレルモで病死した。主要著作に《ドナウ公国の経済状態》(1850),《ミハイ勇敢公時代のルーマニア人の歴史》(1877)がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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