化学辞典 第2版 「ビスムチル」の解説
ビスムチル
ビスムチル
bismuthyl
化学式で形式上,BiOで示される陽イオン,または陽イオン性の基の名称として,以前に用いられたもの.たとえば,BiOClを塩化ビスムチルといった.しかし,BiOClでは,BiOという独立した基は存在していないから,塩化酸化ビスマス(Ⅲ)あるいはオキシ塩化ビスマス(bismuth oxychloride)というべきである.高屈折率のためネイリング(nailing)に用いられる.ほかの酸化物塩でも同様であり,ビスムチルは誤名である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報