ファスル

百科事典マイペディア 「ファスル」の意味・わかりやすい解説

ファスル

トルコ古典音楽の形式。声楽と器楽による大がかりな演奏形式で,同一のマカームによるいわゆる組曲形式。アラブのナウバnawbaに相当する。タム・ファスルtam-fasilと呼ばれる完全な形では,序と七つの部分から成る。すなわち,序:タクシームtaksim(独奏楽器による前奏),1:ペシュレウ(合奏による前奏),2:カール(声楽形式),3:ベステbeste(声楽形式),4:アウル・セマーイー(声楽形式),5:シャルク(声楽形式),6:ユリュク・セマーイー(声楽形式),7:サーズ・セマーイー(器楽形式)。

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世界大百科事典(旧版)内のファスルの言及

【トルコ音楽】より

…作曲形式には器楽で,ペシュレフ(序奏)やサーズ・セマイ,声楽でシャルクやベステなどがある。同じマカームの楽曲を集め,器楽と声楽を組み合わせた演奏プログラムのことをファスルという。 おもな楽器には,ネイウードタンブール,カマーンチェ,カーヌーン,1対の小型鍋形太鼓クデュム,タンバリンのドゥッフなどがある。…

※「ファスル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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