ソ連の理論物理学者。ウラジオストクに生まれ、1918年モスクワ大学を卒業。クリミア大学、モスクワ大学などで教え、1934年からレーベデフ物理学研究所理論部の主任。1932年、中性子が発見されると、量子電気力学を適用して中性子が磁気モーメントをもつことを指摘し、また核力を交換力で説明できることを指摘した。さらにI・M・フランクとともに「チェレンコフ効果」を理論的に研究し、それが物質中を超光速で動く電子による電磁的なマッハ衝撃波であると解釈した(1937)。この研究により1958年、チェレンコフ、フランクとともにノーベル物理学賞を受賞した。その後、熱核反応の制御の問題に貢献した。
[佐藤 忠]
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