ブラシカビ(その他表記)Coemansia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラシカビ」の意味・わかりやすい解説

ブラシカビ
Coemansia

藻菌類接合菌類ケカビ目キックセラ科の1属。この属には 10種以上の記載がある。いずれも森林下の土壌などから分離されている。よく伸長したものでは菌体が数 cmの長さになり,多少分岐して黄色を呈するので肉眼でよく発見できる。このカビの著しい特徴として菌糸の頂端および側枝の先端にスポロクラディア sporocladiaと称する板状の細胞が舟形に集って生じる小体をつけ,その1側面に細長い胞子嚢を密生する。この胞子嚢内には単一の胞子を生じ,胞子は胞子嚢から逸出することなく,そのまま菌体から離脱する。したがって各胞子は,胞子細胞自体の膜と胞子嚢膜との2層の膜をかぶっている。ブラシカビの名はスポロクラディア上に胞子嚢が密生した形状がブラシを想起させることに基づく。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む