プルコボ天文台(読み)ぷるこぼてんもんだい(英語表記)Пулковская Обсерватория/Pulkovskaya Observatoriya

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プルコボ天文台」の意味・わかりやすい解説

プルコボ天文台
ぷるこぼてんもんだい
Пулковская Обсерватория/Pulkovskaya Observatoriya

ロシアサンクト・ペテルブルグにある天文台。1839年設立で、ロシアでもっとも古い。19世紀後半には競って大型屈折望遠鏡が建設されたが、プルコボ天文台も1885年に当時世界最大の口径76センチメートル屈折望遠鏡を備えた。この望遠鏡は第二次世界大戦で破壊されたが、戦後、65センチメートル屈折望遠鏡、20センチメートル極望遠鏡、50センチメートルマクストフカメラなどが設備された。恒星の位置観測においては空気による星の光の曲がり量を求める必要があるが、その際使用されるプルコボ天文台の『大気差表』は重要である。

[磯部琇三 2015年5月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のプルコボ天文台の言及

【ストルーベ家】より

…二重星は18世紀にW.ハーシェルが初めて発見し,19世紀の天文学の最大研究課題となったが,このカタログはその基礎を樹立したものである。当時ヨーロッパ各国は,航海術と測地への応用の目的もあって国立の大天文台を次々に建設したが,ロシアではストルーベに命じてプルコボ天文台(現在のレニングラードの南)を作らせた。39年世界一の39cm屈折望遠鏡が完成,彼はその台長に任ぜられ,位置天文学と測地天文学の基礎作りに大きく貢献した。…

【天文台】より

…パリとグリニジの両天文台は,天体力学の研究や航海に必要な天体位置の精密観測を目的として,子午儀,子午環,天頂儀などが備えられ,天体観測と並んで天体暦の編集発行が行われてきた。のちにできたアメリカのワシントン海軍天文台(1832創設),ソ連のプルコボ天文台(1839創設),日本の東京天文台(1878創設)なども,創設当時はいずれも位置天文学の観測が中心であった。上記の諸天文台は,各国の国立の天文台としての役割を果たしてきた点でも共通している。…

※「プルコボ天文台」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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