ベニオキナエビス(その他表記)Mikadotrochus hirasei; Hirase's slit shell

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベニオキナエビス」の意味・わかりやすい解説

ベニオキナエビス
Mikadotrochus hirasei; Hirase's slit shell

軟体動物門腹足綱オキナエビス科。殻高 9cm,殻径 10cm。殻は大型の円錐形。螺層は 12階で,各層のふくらみは弱い。体層の殻底には弱い角があり,殻底はやや平ら。殻表は白黄色で,あずき色の縞が成長脈に沿って走る。また全面に細い螺肋が走り,成長脈と交わって顆粒状になる。殻口は,外唇に細く深い切れ込みがあり,軸唇は厚くてねじれている。殻口内は真珠光沢が強い。ふたは褐色,革質で,多旋型。軟体部は淡褐色の地に褐色の雲状模様がある。外套縁に小突起が多数あり,吻は太く,その左右に長い触角と基部に眼がある。銚子沖から沖縄,台湾までの水深 50~200mの岩礫底にすむ。なお,本種の図が安永4 (1775) 年に日本の『奇貝図譜』に載せられているが,これはオキナエビス類の世界最初の記録である。 (→オキナエビス )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android