化学辞典 第2版 「ペルオキソ硝酸」の解説
ペルオキソ硝酸(塩)
ペルオキソショウサンエン
peroxonitric acid(peroxonitrate)
【Ⅰ】オキソペルオキソ硝(Ⅲ)酸:HOONO(63.01).ペルオキソ亜硝酸ともいう.亜硝酸とH2O2との反応で生成するが,精製が難しい.(CH3)4NO2(超酸化物)とNOとをアンモニア中で反応させると純粋なONOO-が得られる.水溶液はpKa 約6.8の弱酸性で,室温では数秒間でNO3-と H+ に異性化する.0 ℃,pH 約12ではONOO-は数時間安定である.酸化剤として,有機合成で使用されることもある.有毒.【Ⅱ】ジオキソペルオキソ硝(Ⅴ)酸:HOONO2(79.01).ペルオキソ硝酸ともいう.大気中でHO2とNOx間の反応で生じる大気汚染物質の一つ.0 ℃ 以下でHNO2と過剰のH2O2との反応で生成する.爆発性の固体.室温で,酸性水溶液では半減期約30 min,アルカリ性水溶液ではさらに短く,NO2-と O2 にかわる.[CAS 26404-66-0]
塩:たとえば,KNO4の結晶がKNO3 + Na2O2の反応で得られる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報