改訂新版 世界大百科事典 「メッセニア戦争」の意味・わかりやすい解説
メッセニア戦争 (メッセニアせんそう)
古代スパルタのメッセニア征服と主要な反乱鎮圧のための4回の戦争。第1次(前743-前724ころ)は,スパルタのメッセニア侵略戦争で,肥沃なステニュクラロス平野を占領し,その地のメッセニア人をヘイロータイとした。第2次は,前660年代前半にメッセニア人ヘイロータイの反乱で始まり,スパルタは,前650年代後半に反乱を鎮圧するとともにメッセニア全土を征服し,メッセニア人の大部分をヘイロータイの地位に落とした。第3次(前494-前484ころ)は,メッセニア北部のヒラに拠った反乱メッセニア人討伐の戦争で,反乱鎮圧後,一部のメッセニア人は西方のレギオンとザンクレに移住し,後者をメッサナと改名した。第4次(前465-前460ころ)は,スパルタの大地震に乗じたメッセニア人の反乱を機に起こり,スパルタはこれを鎮圧したが,来援してもらったアテナイ軍の援助を断り,アテナイの怒りを買った。
執筆者:清永 昭次
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報