スリランカ民族抗争(読み)スリランカみんぞくこうそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スリランカ民族抗争」の意味・わかりやすい解説

スリランカ民族抗争
スリランカみんぞくこうそう

スリランカの人口の 74%を占め,国全体の政治経済を掌握する仏教徒シンハラ族と,17%を占めおもに北東部に住むヒンドゥー教徒タミル族との民族抗争。特に「タミル・イーラム解放の虎」 LTTEの武装闘争では,1983~93年に約6万人が死亡している。 88年からプレマダーサ政権は LTTEとの対話を求め,87年のインド・スリランカ和平協定によって派遣されたインド平和維持軍も 90年には撤退,抗争は解決に向いかけた。しかしタミル族に対して大幅な自治権を与える連邦案がシンハラ族の反対で成立しなかったことから,分離・独立要求の運動に発展,93年5月にプレマダーサは爆弾テロで死亡,11月には,1日にして政府軍・LTTE双方で約 900人の死者を出す衝突が生じた。続くチャンドリカ政権が政治解決に乗出し,95年1月停戦協定が調印されたものの,4月には LTTEが協定を破棄。これに対し政府は7月陸海空軍を動員して総攻撃に出て,LTTE側に多数の犠牲者を出した。

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