ダイオキシン類(読み)だいおきしんるい(英語表記)Dioxins

知恵蔵「ダイオキシン類」の解説

ダイオキシン類

ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDD:polychlorinated dibenzo‐p‐dioxins)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF:polychlorinated dibenzofurans)およびコプラナーPCB(polychlorinated biphenyl)の3種類の有機塩素化合物の総称。2つのベンゼン環がつながった構造で、約200種類の異性体がある。環境中で分解しにくく(難分解性)、生体内の脂質に蓄積されやすく(高蓄積性)、発がん性、免疫毒性、生殖毒性、催奇形性などの強い毒性がある。異性体が多いため、最も毒性が強い2、3、7、8‐ベンゾ‐p‐ダイオキシン(TCDD:tetrachlorodibenzo‐p‐dioxin)の毒性に換算して評価する。ダイオキシン類は、廃棄物焼却炉、金属精錬炉、農薬製造施設などで非意図的に生成される。被害例として、ベトナム戦争時、米軍が散布した枯葉剤に含まれたダイオキシンによる奇形児の出生、1976年、イタリア・セベソの農薬工場爆発事故による家畜の大量死や女児の出生増加、カネミ油症事件など。99年にダイオキシン類対策特別措置法が制定。廃棄物焼却炉などの排出規制が強化され、大気、水質、土壌、底質(水底の砂泥などの堆積物)などの環境基準を定めた。最近は、塩素系ダイオキシンだけでなく、臭素系ダイオキシンの危険性も指摘されている。

(畑明郎 大阪市立大学大学院経営学研究科教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

農林水産関係用語集「ダイオキシン類」の解説

ダイオキシン類

人に対する発がん性なども知られているが、我が国の通常の環境濃度レベルでは危険はない。ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフランは、炭素酸素水素・塩素が熱せられるような過程における副生成物で、主な発生源はごみ焼却による燃焼とされている。これに、構造類似化合物であり、発生原因がよくわかっていないコプラナーPCBを含めて「ダイオキシン類対策特別措置法」では「ダイオキシン類」と定義されている。

出典 農林水産省農林水産関係用語集について 情報

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