ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャンド・バルダーイー」の意味・わかりやすい解説
チャンド・バルダーイー
Cand Bardāī
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…そして19世紀中ごろからは,ムガル朝治下で広い地域に普及していたカリー・ボーリーKhaṛī Bolī方言が先行の諸文語の語彙をとりいれながら共通語となって,従来の韻文から散文を主とする近・現代文学を担うこととなった。 ヒンディー文学の主要な潮流を,そのつくり手と主題などに着目しながらほぼ年代順に概観すると,ナルパティ・ナルハーの《ビーサルデーバ・ラーソー》(12世紀),チャンド・バルダーイーの《プリトゥビーラージ・ラーソー》(12世紀末?)などの叙事詩は,宮廷詩人が民間の物語を自由にとりいれながら王侯・貴族をたたえたものである。カビール,ダルムダース(15~16世紀)らの神秘的な短詩は,教団の指導者による教説の展開である。…
…12世紀末(?)の西部インドの宮廷詩人。生没年不詳。個人名チャンドのあとに,宮廷詩人の意のバルダーイーbardāīという語を付して,彼の名の一部とすることもある。アジュメール王プリトビーラージと同年に生まれ,同王の宮廷にずっと仕え,戦乱のなかでともに死んだといわれる。12世紀末には群小のヒンドゥー王侯が,西方からのイスラム教徒の攻撃にさらされ,果敢にそれに抗していたが,なかでもチャンドの仕えるアジュメール国王は勇猛をもって知られていた。…
※「チャンド・バルダーイー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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