作者(読み)サクシャ

デジタル大辞泉の解説

さく‐しゃ【作者】

作品を作った人。特に、芸術作品の作り手。「物語の作者」「焼き物の作者」「作者不詳」
勅撰集に和歌を載せられた歌人。
歌舞伎狂言を作る人。狂言作者

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百科事典マイペディアの解説

作者【さくしゃ】

西欧の文化史において一定の資格と権威をもった書き手のこと。英語でauthorなど。中世では古典時代の権威を引用できる該博な知識の所有者として,近代以降は過去の典拠に依存せず自己の体験と思考を表現可能な者としてあらわれた。ロマン派時代には社会に対立する孤高の〈天才〉という作者概念が登場。20世紀には無意識的な衝動に左右される作者像,システムとしての言語に操作される受動的作者像が登場し,〈作者の死〉が問題となる。現在では作者の存在を歴史と社会制度から再考する動きもある。→語り手

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世界大百科事典 第2版の解説

さくしゃ【作者】

文学作品ばかりでなく,絵画,彫刻,音楽など広い意味での芸術作品を創造行為の所産とみなすとき,その行為の主体としての責任を署名等のかたちで引き受ける者を〈作者〉と呼ぶ。ただし,トルストイを《戦争と平和》の作者とするのと同じ意味で,ホメロスを《オデュッセイア》の作者とみなすことができないように,現在行われている〈作者〉観は,個我独自性自由意志の強調された西欧17世紀以降のもので,日本ではその後も,代作者・協力者集団の代表として署名するだけの作者や,座の文芸のような共同制作形式が存続した。

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大辞林 第三版の解説

さくしゃ【作者】

芸術作品を作った人。 「源氏物語の-」
芝居の脚本を書く人。 「狂言-」 「座付き-」
勅撰集などに作品がえらばれた歌人。 「今はまして-に加はるべきにてもあらぬ/新葉 雑中詞

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精選版 日本国語大辞典の解説

さく‐しゃ【作者】

〘名〙
① ある詩歌、文章、絵画、彫刻などの芸術作品を作った人。また、古くは、広く物を作る人をいった。
※万葉(8C後)一・五三・左注「右歌作者未詳」
※読本・椿説弓張月(1807‐11)拾遺「一部の結局、作者(サクシャ)の苦心、ここに説も竭(つく)すべからず」 〔礼記‐楽記〕
② 特に、勅撰集などに歌をえらばれた歌人
※袋草紙(1157‐59頃)上「入道云、紀伊入道素意、後拾遺作者にはあらずやと云々」
③ 特に、脚本を書く人。芝居狂言を作る人。
申楽談儀(1430)能書く様、その三「是、新作の本に出されたる能也。三道に有といへ共、作者をつく」
④ 計画する人。陰謀などをはからう人。
※愚管抄(1220)六「ただおぼしめしも入ぬ事を作者のするを、えしろしめさずさとらせ給はぬ事こそちからおよばね」

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世界大百科事典内の作者の言及

【日本文学】より

…たとえば,《源氏物語》から,《好色一代男》《春色梅児誉美》を通って《大菩薩峠》に至る文体の変化は大きかった。しかも同じ作者の《方丈記》と《無名抄》,《藩翰譜》と《折たく柴の記》,《渋江抽斎》と《雁》でさえも,その文体はまったく異なる。こういう状況のもとで,〈よい散文〉の基準は,中国の場合のように,客観的ではあり得ないだろう。…

【俳諧師】より

…《江戸鹿子》(1687)などの地誌類に諸師諸芸または諸職の一つとして登録されている。《人倫訓蒙図彙》(1690)は能芸部にあげて,俳諧の法式が貞徳,立圃(りゆうほ)に始まることを述べ,〈その流れを汲みて棟梁する者を点者と号す〉というが,《誹諧京羽二重》(1691)では点者,俳諧師,作者を区別している。広義には点者をふくみ,狭義には点者を除く職業俳人をいうか。…

【文学理論】より

…文芸批評と呼ぶことのできるものは,アリストテレスの《詩学》やホラティウスの《詩論》から今日のいわゆる文芸批評にいたるまで,さまざまのかたちで存在する。その文芸批評が目的とするのは,普通には,文学作品かその作者にかかわりのある諸問題について語ることである。しかも西欧の諸国においては,とくに19世紀以降,文芸批評そのものが文学の中のひとつの分野として確立されるにいたった。…

※「作者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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