ヒアリン膜症(読み)ヒアリンまくしょう(その他表記)hyaline membrane disease

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒアリン膜症」の意味・わかりやすい解説

ヒアリン膜症
ヒアリンまくしょう
hyaline membrane disease

肺硝子様膜症。肺胞壁および肺胞管の内面に硝子様膜 (ヒアリン膜) が形成される状態。新生児死亡の大きな原因で,未熟児や帝王切開児に多くみられる。症状は多呼吸,陥没呼吸,呼気性呻吟,チアノーゼ。出生時に羊水によって気管がふさがれて起るとされていたが,その後の研究により,硝子様膜の主成分は血漿由来で,特に線維素が主体であることが証明された。すなわち,硝子様膜は肺浮腫から2次的に漏出した血漿によることが確実となったので,第9回世界小児科学会 (1959) において,新生児特発性呼吸障害症 idiopathic respiratory distress syndrome (IRDS)と呼ぶほうがよいとの見解に達し,ヒアリン膜症という病名は次第に用いられなくなってきた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む