ポリプレノール

化学辞典 第2版 「ポリプレノール」の解説

ポリプレノール
ポリプレノール
polyprenol

polyisoprenyl alcohol.ポリプレニルアルコールともいう.イソプレン残基が同一方向に連なり,末端に第一級アリルヒドロキシ基をもつ長鎖イソプレノイドの総称種々の植物,動物の排泄物,細菌などから,重合度(n)6~13のものが得られているが,タバコ葉からのノナイソプレノール(n = 9)がすべての二重結合に関してトランス(E)-形構造をもつほかは,2~3個のシス(Z)-形構造が含まれて混合物である場合が多い.これらは,ジメチルアリル二リン酸にイソペンテニル二リン酸が順次縮合し,生成したポリイソプレニル二リン酸が加水分解されて生成する.このほか,ヒドロキシ基を有する末端二重結合が飽和したドリコール類(dolichols)が,動物,植物細胞の内層網状組織に不けん化部分として含まれている.これらはいずれも,糖ヌクレオチドより糖リン酸を受け取り,多糖や糖タンパク質の生合成で糖を運搬する脂質中間体として作用するとみられている.[CAS 10589-57-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のポリプレノールの言及

【テルペン】より

…さらにユビキノンubiquinoneまたはコエンザイムQ(CoQ)と呼ばれる一連の化合物はキノン環と長いイソプレン側鎖からなり,ミトコンドリアに存在して,電子伝達系の構成成分となっている。ポリプレノールは末端に一級アルコール基をもつ誘導体で,その一つドリコールdolicholはリン酸エステルとして細胞壁や糖タンパク質の生合成過程で重要な役割を担っている。
[テルペン類の工業的合成]
 テルペン類は古来,精油成分として,香料,食品香料,化粧品,医薬品に重用されている。…

※「ポリプレノール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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