ムリッチャカティカー(読み)むりっちゃかてぃかー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムリッチャカティカー」の意味・わかりやすい解説

ムリッチャカティカー
むりっちゃかてぃかー

古代インドの劇作家シュードラカ作のサンスクリット劇

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムリッチャカティカー」の意味・わかりやすい解説

ムリッチャカティカー
Mṛcchakaṭikā

インドのサンスクリット劇。邦訳名『土の小車』。4世紀頃の中部インドの王シュードラカ作。零落した主人公チャールダッタと遊女バサンタセーナーの波乱に満ちた恋物語

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世界大百科事典(旧版)内のムリッチャカティカーの言及

【インド演劇】より

…劇作家バーサ(3世紀ころ)の名は古くから知られていたが,その作品と推測される13種の戯曲は1910年に南インドで発見された。バーサに次ぐ劇作家はシュードラカ(4世紀)で,彼の作に帰せられる《ムリッチャカティカー(土の小車)》は,社会劇として古典劇中特異の地位を占めている。詩聖カーリダーサ(4~5世紀)は傑作《シャクンタラー》劇によってインド劇の真価を世界に知らしめたが,彼はほかに2編の戯曲を残している。…

【インド文学】より

…劇作家バーサ(3世紀ころ)の名は古くからうたわれていたが,彼の作と認定される13種の戯曲は1910年にいたって南インドで発見された。その中の《チャールダッタ》は4幕までの未完成作品であるが,この劇を発展補足させた10幕の戯曲《ムリッチャカティカーMṛcchakaṭikā(土の小車)》はシュードラカの作に帰せられ,初期の古典劇中特異な社会劇として高く評価されている。グプタ朝(4~6世紀)は文運の興隆した時代であるが,その最盛期に詩聖カーリダーサ(4~5世紀)が現れ,古典サンスクリット文学は黄金時代を現出した。…

【シュードラカ】より

…インドの古典劇《ムリッチャカティカー(土の小車)》10幕の作者として知られているが,この作品の序幕でたたえられている伝説上のシュードラカ王とは別人とされる。あるいは,この戯曲の作者がシュードラカの名を自作に冠したとも考えられる。…

※「ムリッチャカティカー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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