リュシクラテス記念碑(読み)リュシクラテスきねんひ(英語表記)Monument of Lysikratēs

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リュシクラテス記念碑」の意味・わかりやすい解説

リュシクラテス記念碑
リュシクラテスきねんひ
Monument of Lysikratēs

アテネに現存する古代ギリシアの記念碑。前 334年のディオニュソス祭の競技にリュシクラテスの合唱団が優勝したのを記念して建てられたもの。正方形の高い台座の上に,ディオニュソス神話の浮彫のあるエンタブラチュアを支える6本のコリント式半柱をもつ円筒形の建物置き,その上に円錐形屋根がある。頂には優勝者のもらう三脚杯を載せるための花飾りの台がある。全体の高さが約 7m,幅 2.75mの小さい建物であるが,古典期末期の優美なスタイルをみせるすぐれたものである。

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世界大百科事典(旧版)内のリュシクラテス記念碑の言及

【記念碑】より

…このような記念碑として一般に作られるものには,古代から石碑,記念像(彫像),さらには記念建築がある。古くは古代ギリシアのリュシクラテス記念碑(アテナイ,前334)や多くの凱旋門があり,近代においてはタトリンの《第三インターナショナル記念塔》やグロピウスの《三月革命犠牲者記念碑》などが構想された。 第2次世界大戦後,世界各地に戦没者や虐殺犠牲者の記念碑が多く作られたが,そこに共通してあらわれたのは,一つの特殊な空間構成を作り出し,訪れる人にその空間体験を通して,戦争の悲惨,残虐を想起させる傾向であった。…

※「リュシクラテス記念碑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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