万国公報(読み)ばんこくこうほう(その他表記)Wàn guó gōng bào

改訂新版 世界大百科事典 「万国公報」の意味・わかりやすい解説

万国公報 (ばんこくこうほう)
Wàn guó gōng bào

中国,清末にアメリカ人宣教師アレンYoung J.Allen(中国名は林楽知)が中国語で出版した雑誌。1868年(同治7)9月の創刊時は《教会新聞The Church News》という名の週刊誌であったが,300号を契機に,74年9月以降83年まで月刊誌となり《万国公報The Chinese Globe Magazine》の名称刊行。6年間休刊後,89年(光緒15)2月からは《万国公報Review of the Times》と英文標題を改め,英米独のプロテスタント組織広学会の援助で1908年まで228冊が出版された。〈風気を開通し文明を輸入する〉というスローガンをかかげ中国のインテリに対する西洋事情の啓蒙宣伝の役割を果たした。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の万国公報の言及

【広学会】より

…西洋書籍の漢訳と出版を通じて中国人を啓蒙した。月刊の機関誌《万国公報》をはじめとする漢訳西書は,清末の中国知識人に大きな影響を与え,変法運動の下地をつくった。【坂出 祥伸】。…

※「万国公報」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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