契機(読み)ケイキ

デジタル大辞泉 「契機」の意味・読み・例文・類語

けい‐き【契機】

きっかけ。動機。「失敗を契機体制を立て直す」
ヘーゲル弁証法用語全体を構成するために不可欠な要素。また、事物の動的過程において、その変化・発展を規定する本質的・必然的な通過段階
[類語]きっかけ原因もとたね起こりいん因由素因真因要因一因導因誘因理由事由じゆうわけ近因遠因せい起因する基づく発する根差す

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精選版 日本国語大辞典 「契機」の意味・読み・例文・類語

けい‐き【契機】

  1. 〘 名詞 〙
  2. それを欠いては事物が存在できないような要素。または、事物が発展するのに、どうしてもそこを通らねばならない点や条件
  3. きっかけ。動機。原因。
    1. [初出の実例]「この時、偶然な契機(ケイキ)によって、醜き一切に対する反感師匠病躯の上に洩らしたのであらうか」(出典枯野抄(1918)〈芥川龍之介〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「契機」の意味・わかりやすい解説

契機
けいき
moment

本質的構成要素をいう。 momentは語源的に異なる2つの語の系統をひいており,1つは運動を語源として瞬間意味し,1つは重圧動力を意味する (→モーメント ) 。契機を哲学的概念として用語化したヘーゲルには,この2つの意味の融合が明らかにみられる。ヘーゲルのいう契機は,まず弁証法的発展のなかで,次の発展を生み出すのに必須な一段階をさすが,この段階は次の段階の存在のなかへ止揚され,その高次の存在を構成する不可欠の要因となっているから,本質的構成要素の意味を得る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「契機」の意味・わかりやすい解説

契機
けいき
moment 英語
moment フランス語
Moment ドイツ語

原語は「動かす」という意味のラテン語の動詞mouereに由来する。それゆえ、あるものを動かし、決定する根拠のことを意味する。またさらに、ある全体、とくに静的なものではなく動的、過程的な全体に対するその構成要素、あるいはその一局面のことを意味することもある。実際、すべての事象を生成発展の相としてとらえていこうとするヘーゲル哲学においては、この意味で使われている。

[清水義夫]

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普及版 字通 「契機」の読み・字形・画数・意味

【契機】けいき

機会とする。

字通「契」の項目を見る

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