契機(読み)けいき(英語表記)moment

翻訳|moment

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

契機
けいき
moment

本質的構成要素をいう。 momentは語源的に異なる2つの語の系統をひいており,1つは運動を語源として瞬間を意味し,1つは重圧や動力を意味する (→モーメント ) 。契機を哲学的概念として用語化したヘーゲルには,この2つの意味の融合が明らかにみられる。ヘーゲルのいう契機は,まず弁証法的発展のなかで,次の発展を生み出すのに必須な一段階をさすが,この段階は次の段階の存在のなかへ止揚され,その高次の存在を構成する不可欠の要因となっているから,本質的構成要素の意味を得る。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

けい‐き【契機】

きっかけ。動機。「失敗を契機に体制を立て直す」
ヘーゲル弁証法の用語。全体を構成するために不可欠な要素。また、事物の動的過程において、その変化・発展を規定する本質的・必然的な通過段階。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

けいき【契機】

物事が始まったり、変化が生じたりする直接の要素や原因。きっかけ。動機。 「就職を-に親元を離れた」
〘哲〙 〔ドイツ Moment〕 ある物を動かし、規定する根拠・要因。弁証法では、発展に組み込まれて、より大きな関係を構成する不可欠なものとなった要素。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

契機
けいき
moment 英語 フランス語
Momentドイツ語

原語は「動かす」という意味のラテン語の動詞mouereに由来する。それゆえ、あるものを動かし、決定する根拠のことを意味する。またさらに、ある全体、とくに静的なものではなく動的、過程的な全体に対するその構成要素、あるいはその一局面のことを意味することもある。実際、すべての事象を生成発展の相としてとらえていこうとするヘーゲル哲学においては、この意味で使われている。[清水義夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

けい‐き【契機】

〘名〙
① それを欠いては事物が存在できないような要素。または、事物が発展するのに、どうしてもそこを通らねばならない点や条件。
② きっかけ。動機。原因。
※枯野抄(1918)〈芥川龍之介〉「この時、偶然な契機(ケイキ)によって、醜き一切に対する反感を師匠の病躯の上に洩らしたのであらうか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

アポ電詐欺

《「アポ」は「アポイントメント」の略》電話を使用した振り込め詐欺の一。身内の者になりすまして電話番号が変わったと伝え、再度電話して金銭を要求したり、役所の担当者や銀行員などになりすまして電話をかけ、後...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

契機の関連情報