上赤坂城(読み)かみあかさかじょう

日本の城がわかる事典 「上赤坂城」の解説

かみあかさかじょう【上赤坂城】

大阪府南河内郡千早赤阪村にあった山城(やまじろ)。鎌倉時代末期に楠木正成(くすのきまさしげ)が築城した城の一つ。国指定史跡。1332年(元弘2、正慶1)頃に、後醍醐天皇の挙兵に呼応して、楠木正成が築城したといわれている。上赤坂城は、西側の本丸、東側の二の丸から形成されており、本丸の周囲や二の丸から北西方向に多くの曲輪(くるわ)を連ねている。楠木正成は平野将監(ひらのしょうげん)を配して防衛にあたらせたが、1333年(元弘3、正慶2)、鎌倉幕府軍に水路を断たれ、防戦10日で落城した。現在、本丸・二の丸跡が残り、堅堀、堀切、木戸跡も確認できる。南海高野線河内長野駅または近鉄長野線富田林駅からバス、森屋下車。◇楠木城、大根田(おおねだ)城、大手本城とも呼ばれる。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の上赤坂城の言及

【赤坂城】より

…落城の状況から幕府方は正成の自害を疑わなかったが,このあたり鎌倉武士と畿内悪党との考え方の差がみられて興味ぶかい。正成没落後,六波羅探題は下赤坂城に紀伊国の湯浅定仏を入れたが,32年正成はこれを奪回,ついでその南方に千早城の前城として上赤坂城を築き,弟正季・平野将監らを配して再挙した。翌年2月,上赤坂城は阿蘇治時らの猛攻をうけ,城兵はよくしのいだものの,水路を断たれて落城した。…

※「上赤坂城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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