九連環(読み)きゅうれんかん

精選版 日本国語大辞典 「九連環」の意味・読み・例文・類語

きゅうれん‐かんキウレンクヮン【九連環・九連鐶】

  1. 〘 名詞 〙 九つの環が連なった玩具。これを解くことを楽しむ。知恵の輪。
    1. [初出の実例]「桐郎桐郎識不識、有人偸解九連鐶」(出典:星巖集‐乙集(1837)西征集三・月琴篇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の九連環の言及

【数学パズル】より

…これと同系列のものには図35のクロス・ブレーカーがあり,日本でもタングラムと似た用具を解説した《清少納言知恵の板》(1742)という本が発見されている。図36のaの九連環は9個の環から棒を抜く知恵の輪パズルで,発祥はやはり中国である。早くから西洋に伝わったようで,チャイニーズ・リングと呼ばれ,16世紀にはイタリアの数学者G.カルダーノが抜き取る手数を考察している。…

【知恵の輪】より

…このさおを輪から外す遊びである。中国には輪が9個の九連環というチャイニーズ・リングがあった。劉向(りゆうきよう)(前77‐前6)の著した《戦国策》の中に出てくる玉連環がこの九連環だといわれる。…

【明清楽】より

…〈温柔和暢〉の風格に異国情緒も伴って上流社会に入れられ明治中期まで流行し,箏曲に影響を与え邦楽も奏し替歌まで生まれた。《九連環》は最も有名で法界節の〈ほうかい〉や落語《らくだ》の〈かんかんのう〉もこれより出ている。中国音で歌うため詞に片仮名をつけ伴奏に工尺譜を用いる楽譜は独得で,中国近世音楽の貴重な資料でもある。…

※「九連環」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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