…このようにX線が結晶によって回折されるのは,その波長が固体の原子間隔と同程度のためである。 X線が物質にあたった場合,気体の電離,物質からの電子や二次X線(蛍光X線と散乱X線)の放出,あるいは散乱されたX線の波長変化が生ずるが,これらの現象はX線が粒子(光子)としてふるまい,物質を構成している原子内の電子に衝突してそのエネルギーを電子に与えることに基づいている。X線の粒子としてのエネルギーは,振動数をν,プランク定数をhとしてhνで与えられ,これが電子を原子に束縛させているエネルギーより十分大きい場合,電子は原子外にたたき出され,電離や物質からの電子(光電子)の放出が起こり,エネルギーが小さい場合は電子を外側の軌道に押し上げることになる。…
※「二次X線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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