散乱X線(読み)サンランエックスセン

デジタル大辞泉 「散乱X線」の意味・読み・例文・類語

さんらん‐エックスせん【散乱X線】

物質X線を照射した際、原子電子散乱により放射されるX線。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の散乱X線の言及

【X線】より

… 一方,X線の発見およびその研究は物理学の進歩に大きな波及効果を及ぼした。例えば,X線の発見に刺激を受けたA.H.ベクレルは,蛍光物質の中にはX線を放射するものがあるのではないかと考え,種々の物質を用いての実験を行ったが,1896年ウラン塩からX線とは異なる放射線が出ていることを発見しているし,また1922年,A.H.コンプトンによる散乱X線のコンプトン効果の発見は,電磁波(光)の粒子性の直接の証拠となったものとして有名である。
[基本的性質]
 X線の最大の特徴は,物質を透過する力(透過能という)が大きく,物質に吸収されにくいことである。…

【コンプトン効果】より

… コンプトン効果は光の粒子性を鮮やかに浮き出させ,光の粒子性と波動性の矛盾を物理学者たちに避けて通れない問題としてつきつけることになった。光子の描像によればX線の波長の延びは計算できるが,しかし,X線の散乱角はどのくらいか(散乱角の頻度分布はどうなのか),散乱X線の強さはどうかという問いに理論的に答える役には立たない。これらの問いには,むしろX線の波動像に立つJ.J.トムソンの理論が(λ≫h/m0cなるかぎり)正しい答えをあたえる。…

※「散乱X線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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