普及版 字通 「井塩」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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…中国,漢代および唐の中期以降の歴代王朝が実施した塩の専売法とその取締法。中国の産塩地は,東部海岸(海塩),山西省解州の塩池(解塩),四川の地下塩(井塩),長城線以北の塩湖など多様であるが,広大な国土の割には地域的にかたよっている。そうした自然条件は塩の専売制を実施するのに好都合であった。…
…黄河文明が発生した地域には山西省の大塩池があり,これを握ることが権力者の一条件で,〈禹貢(うこう)〉が冀(き)州(山西)を帝都とし,周や秦がそこに近い陝西を根拠とするのも当然であった。漢民族の支配領域の拡大につれ,山東,淮南(わいなん)など海岸線の海塩や,四川の井塩(せいえん)などが登場する。しかし,海岸線は広大な中国全体からみれば,むしろ短くかつ東に偏し,それ以外の内陸塩産地は限定されていた。…
…富順県は宋に始まるが後漢に江陽,北周に富世,唐には富義県を置いた。塩都ともよばれ,戦国末から塩井を掘り,天然鹹水(かんすい)をくみ上げて煮つめ〈井塩(せいえん)〉をとってきた。唐代には規模も拡大される。…
…一方,サトウキビから砂糖をとる方法も伝えられ,四川盆地中央部の沱江や涪江流域ではその栽培が盛んとなった。また,戦国時代の終りには利用されていた〈井塩〉も唐代には採掘が本格化する。井塩は〈塩井〉からくみあげた天然の鹹水を煮つめ結晶させたもので,現在の自貢市周辺で採取される塩である。…
… 江漢平野や岷江などの開発により,長江中流や巴,蜀すなわち四川盆地は秦の中国統一を支えた。この間,戦国時代末には沱江流域の自流井(自貢)では塩井が掘られ,天然鹹水(かんすい)を煮つめ〈井塩〉をとりはじめている。また,三国の蜀代には〈火井〉すなわち天然ガス井も利用されている。…
※「井塩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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