精選版 日本国語大辞典「井」の解説
せい【井】
[1] 〘名〙
① いど。い。〔易経‐井卦〕
② いげた。また、その形。
※甲陽軍鑑(17C初)品二九「御旗本、まへは典厩(てんきう)穴山殿、せいに備をたて給ふ」 〔左思‐魏都賦〕
③ (井戸のあるところには人が集まるところから) むらざと。まち。市井。〔宋書‐何承天伝〕
④ 古代中国で一里四方、九百畝の田地をいう。〔孟子‐滕文公〕
⑤ 易の六十四卦の一つ。
上卦は坎(かん)(=水)、下卦は巽(そん)(=風)。水風井ともいう。巽は木でこの場合つるべをあらわし、つるべで水をくみあげるさま。


い ゐ【井】
〘名〙 泉や流水から、水をくみとる所。はしり井。また、地を掘り下げて地下水をたくわえてくみとる仕掛けのもの。
※書紀(720)神代下(水戸本訓)「井(ヰ)の上に百枝の杜(かつらの)樹有り」
※枕(10C終)一六八「井は ほりかねの井。玉の井。走り井は逢坂なるがをかしきなり」
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