…燕尾服を巡る六つの挿話からなるJ.デュビビエ監督の《運命の饗宴》(1942)は,〈オムニバス・エピソード映画〉と呼ばれた。〈エピソード・ストーリー映画〉と呼ばれたイタリア映画《戦火のかなた》(1942)は六つの挿話で構成され,形式よりも内容が高く評価された作品であるが,その成功に促されてイギリスでサマセット・モームの四つの短編小説をもとにした《四重奏》(1948)が製作され,それをモデルにしてアメリカでO.ヘンリーの五つの短編小説をもとにした《人生模様》(1953)が製作された。このほか,日本(《四つの恋の物語》1947,《にごりえ》1953)も含め各国で作られたが,もともとこの形式の映画は,スター中心のハリウッドよりもフランスやイタリアの作品の世評が高く,英語圏の市場ではテレビの30分ドラマの登場とともに1950年代半ばには魅力の薄れた形式となり,60年代になって《西部開拓史》(1962),《黄色いロールス・ロイス》(1964)などが製作されたにすぎない。…
※「人生模様」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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