精選版 日本国語大辞典 「保続」の意味・読み・例文・類語
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…その他の概念や行動は出現を抑制される。これが病的に強まると,〈保続〉といわれる現象になる。痴呆,失語などの脳器質性障害にあらわれ,たとえば運動性失語症の患者で,最初の質問に対する答えを,その後ちがう質問をしてもくりかえす。…
…話し言葉で意図した言葉と別の誤った言葉をしゃべり,間違いに気づかない現象をいう。保続perseveration(一度発した言葉や動作を,その後の質問や命令に際し,内容に関係なく繰り返す現象)とともに,感覚失語や伝導失語にみられる。これらの失語症では,表現しようとする言葉のイメージ(言語心像)を的確に頭のなかに思い浮かべる機能が障害されているために(内言語障害),間違った言葉が浮かんでしまう。…
…【滝沢 武久】
[思考障害]
思考障害(異常)disturbance of thoughtは一般に,(1)思考過程(観念連合,思考の流れ)の障害と,(2)思考内容の障害に分けられる。思考過程とは,一定の目的に適合した観念を順次思い浮かべながら判断,推理などによって課題を分析,解決する過程であり,その障害には思考制止,思考途絶,観念奔逸,思考滅裂,思考散乱,保続などがある。思考制止inhibition of ideasとは思考の流れに抑制がかかってスムーズにいかないこと,思考途絶blocking of thoughtとは思考の流れが突然中断してしまうこと,観念奔逸flight of ideasとは考えが次から次へと飛んでなかなか目的に到達しないこと,思考滅裂incoherence of thoughtとは意識が清明であって思考過程にまとまりが欠け,話の筋が支離滅裂であること,思考散乱incoherent thinkingとは意識障害時の話の支離滅裂状態,保続perseverationとは質問が変わっても前の返事が繰り返されることをいう。…
※「保続」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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