傍腫瘍性ニューロパチー

内科学 第10版 「傍腫瘍性ニューロパチー」の解説

傍腫瘍性ニューロパチー(悪性腫瘍に伴う神経系障害)

(4)傍腫瘍性ニューロパチー(paraneoplastic neuro­pathy)
 PNSでは末梢神経障害の頻度が最も高く,感覚性運動失調型ニューロパチーはPNSに特徴的なものである.女性に多く,90%に肺小細胞癌を合併,異常感覚・深部感覚障害を中心とした多発単ニューロパチーが上肢から全肢に広がり,高度障害に至る.抗Hu抗体を伴うことが多い.
 感覚運動型ポリニューロパチーを呈する場合の背景は多様であり,単クローン症を呈する血液細胞由来の腫瘍に伴うことがある.また,起立性低血圧・イレウスなどの自律神経症状を前景とすることもある(chronic gastrointestinal pseudo-obstruction:CGP).CGPは腸管粘膜の神経叢が主病巣となり,抗HuまたはCV2抗体を有する肺小細胞癌患者でみられる.[田中惠子]
■文献
Dalmau J, Gleichman AJ, et al: Anti-NMDA-receptor encephalitis: case series and analysis of the effects of antibodies. Lancet Neurol, 7: 1091-1098, 2008.
Honnorat J, Antoine JC: Paraneoplastic neurological syndromes. Orphanet J Rare Dis, 2: 22-31, 2007.
Irani SR, Alexander S, et al: Antibodies to Kv1 potassium channel-complex proteins leucine-rich, glioma inactivated 1 protein and contactin-associated protein-2 in limbic encephalitis, Morvan’s syndrome and acquired neuromyotonia. Brain, 133: 2734-2748, 2010.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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