神経叢(読み)シンケイソウ(その他表記)nerve plexus

デジタル大辞泉 「神経叢」の意味・読み・例文・類語

しんけい‐そう【神経×叢】

脊椎動物末梢神経基部や末端部で、多数神経細胞などが枝分かれして網状になっている部分神経集網

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精選版 日本国語大辞典 「神経叢」の意味・読み・例文・類語

しんけい‐そう【神経叢】

  1. 〘 名詞 〙 末梢(まっしょう)神経が基部付近や末梢部で多数枝分かれして網状の形態をつくっているもの。神経集網。〔五国対照兵語字書(1881)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「神経叢」の意味・わかりやすい解説

神経叢 (しんけいそう)
nerve plexus

生物学では神経集網という。末梢神経系において,ニューロン軸索(または神経繊維)がネットワークを形成しているところをいう。無脊椎動物でもクラゲの内傘面などに神経叢がある。ニューロンの軸索は豊富に分枝して他のニューロンの軸索の分枝と交錯するのであるが,それぞれのニューロンに属する軸索の分枝はあくまでもそれぞれ個々のニューロンの一部である。脊椎動物では,肉眼的に見える大きな神経叢としては,頸神経の前枝がつくる頸神経叢腕神経叢,腰神経の前枝と仙骨神経の前枝がつくる腰仙骨神経叢腰神経叢と仙骨神経叢)などがある。これらの神経叢の形成は,上肢下肢の筋が複雑に配列し,しかもおのおのの筋は複数筋節に由来するためである。また,自律神経繊維は表のように,動脈のまわりや内臓の近くで多くの神経叢をつくる。顕微鏡で見えるような神経叢としては消化管の壁にある腸筋神経叢が有名であり,これには漿膜下神経叢,筋層間神経叢(アウエルバッハの神経叢),粘膜下神経叢(マイスネルの神経叢)が区別されている。
自律神経系 →神経系
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百科事典マイペディア 「神経叢」の意味・わかりやすい解説

神経叢【しんけいそう】

脊椎動物の末梢神経がその基部付近または末梢部で分岐したり吻合(ふんごう)したりしてつくる網状構造神経繊維は互いに独立して走っているので,その間に連絡はない。脊髄神経は基部近くで,頸(けい)神経叢,腕神経叢,腰神経叢,仙骨神経叢などをつくる。自律神経は諸種の器官の外周または壁内に発達した神経叢をつくり,その中に神経細胞を含む。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神経叢」の意味・わかりやすい解説

神経叢
しんけいそう
nerve plexus

神経集網ともいう。動物体の末梢神経が分岐し,吻合してつくる網目状構造の神経細胞の小集団。脊椎動物の頸,腕,腰仙骨,陰部,心臓,腹腔の各神経叢や,腸管壁内にあって腸管平滑筋にいくものなどがある。無脊椎動物ではクラゲの内傘面などにみられる。

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世界大百科事典(旧版)内の神経叢の言及

【神経系】より

…しかし棘皮(きよくひ)動物のヒトデやウニでは,体は幼生のとき左右相称で,成体になると放射相称に変わり,神経系は腔腸動物のように放射状,輪状になる。 プラナリアのような扁形動物では,はしご型で左右の索は互いに節状に横に走る繊維で連絡され,また索から末梢へ細い繊維が出て体の表面下に,あるいは消化管の壁に神経叢をつくる。環形動物たとえばミミズでは,腹側の神経索に沿って,各節ごとに細胞の集団つまり神経節が形成される。…

※「神経叢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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