日本歴史地名大系 「加州三郡高免付御給人帳」の解説
加州三郡高免付御給人帳(高免付給人帳)
かしゆうさんぐんたかめんづけごきゆうにんちよう
一冊
写本 県立歴史博物館
解説 石川郡押野村十村後藤氏によって書写された手帳で、県指定文化財後藤家文書のうち。寛文一〇年成立と推定され、石川・河北・能美各郡の十村組ごとに、各村の家高(軒数で記される)・百姓数・手上高・草高・村名・免・肝煎名・物成銀納高・定作食米・定小物成銀高・散小物成銀高を記し、村々の知行地については給人名と知行高、同様に蔵入地についても代官名と支配高を記す。寛文一〇年の村御印作成に伴い、これに合せて代官・給人などの支配関係を明らかにし、十村による徴税督励の基礎台帳として作成されたものであろう。二四組・七九八ヵ村、三七万四千四三八石余分を記載するが、河北郡高松組、能美郡六ヵ村(大聖寺藩領)、白山麓一八ヵ村(幕府領)は記されない。家高は慶長―元和期の夫役負担の百姓数と推定されるが、これを役屋あるいは初期本百姓と理解する説もある。
活字本 県立郷土資料館紀要第一一号
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報