十・拾(読み)じゅう

精選版 日本国語大辞典 「十・拾」の意味・読み・例文・類語

じゅう ジフ【十・拾】

〘名〙
① 数の名。一から数えて、九の次にあたる数。数の十進法で、一のすぐ上の単位。と。とお。また、第一〇番目。
落窪(10C後)四「亡せにける妻の子たちとて、十よばかりなる有るを」
※源氏(1001‐14頃)橋姫「この院のみかどは、十の御子にぞ、おはしましける」
② 一〇歳。
[補注]「十」の日本の本来の漢字音は単独ではジフ(これがジウ→ジュウとなった)だが、「十本」「十個」「十銭」「十哲」のような語では古くは例外なくジッとなり、「ジッポン」「ジッコ」「ジッセン」「ジッテツ」と言った。これは「十」のように古くは末尾の音がpであった漢字は、後に無声子音で始まることばが来ると促音化したためである(類例、「合(ガフ)」の「合掌(ガッショウ)」「合併(ガッペイ)」)。右のような語は、NHKのアナウンサーはほとんど皆「ジッ‐」と発音しており、多くの国語辞典も「ジッ‐」の形のみを記しているが、現実には、若年層では「ジュッ‐」の形が圧倒的である。本辞典では「ジッ‐」の形で立項・解説し、「ジュッ‐」の形は空見出しとして立項した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報