…また,西本願寺唐門など,真宗寺院の建築にも用いられ,こうした華麗な装飾は次代の日光東照宮などに受け継がれる。民家は《洛中洛外図屛風》などに二階座敷を持った町家が多く描かれ,建築的にもかなり充実してきたと思われるが,現存する遺構は栗山家住宅(奈良県,1607)や古井家住宅(兵庫県)など,ごく少例を見るのみである。【鈴木 充】。…
…座敷以外は天井を張らないことが多く,これらの梁組みは力強い構成美をつくり,意匠上の特徴にもなる。
[遺構の年代]
現存する民家遺構で最も古い建物は千年家(せんねんや)として知られる箱木家住宅(神戸市,農家)で,室町時代の中期と推定され,ついで古井家住宅(兵庫県宍粟郡,農家)が室町末期と考えられる。建設年次の判明している民家遺構で最も古いものは,町家系では1607年(慶長12)の栗山家住宅(奈良県五条市),農家系では1650年(慶安3)の石田家住宅(京都府北桑田郡)である。…
…農耕地が狭く,播磨臨海工業地域に近いこともあって,兼業農家が大半である。室町末期の建築とされる古井家住宅(通称〈皆河(みなご)の千年家〉),光久寺の本尊不動明王立像は重要文化財に指定されている。雪彦(せつぴこ)山(915m)西麓の林田川の河床には,鹿ヶ壺をはじめ多くの甌穴(おうけつ)があり,付近はキャンプ場となっている。…
※「古井家住宅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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