善する(読み)よくする

精選版 日本国語大辞典 「善する」の意味・読み・例文・類語

よく【善】 する

  1. ねんごろにする。十分にする。遺漏なくする。
    1. [初出の実例]「家思ふと心進むな風まもり好為(よくし)ていませ荒しその道」(出典万葉集(8C後)三・三八一)
    2. 「学の道をたどりしも、仕の道をあゆみしも、皆な勇気ありて能くしたるにあらず」(出典:舞姫(1890)〈森鴎外〉)
  2. 巧みにする。上手にする。
    1. [初出の実例]「我が命の長く欲しけく偽りを好為(よくする)人を捕ふばかりを」(出典:万葉集(8C後)一二・二九四三)
    2. 「此女は詩を善(ヨ)くした」(出典:魚玄機(1915)〈森鴎外〉)
  3. ともすればする。たびたび行なう。
    1. [初出の実例]「我が善友を悪み、我が怨を好(ヨクス)」(出典:大日経義釈延久承保点(1074)一三)
  4. できる。なし得る。
    1. [初出の実例]「此も亦た依他起は其の性非有なりと証すること不(よくセズ)」(出典:大乗広百論釈論承和八年点(841))
    2. 「往々傍観の者に能しがたかるべしと思はるるほどの難事を能くし得て」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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