因幡誌・伯耆誌(読み)いなばし・ほうきし

日本歴史地名大系 「因幡誌・伯耆誌」の解説

因幡誌・伯耆誌(鈴木孫三郎所持本因幡誌・伯耆誌)
いなばし・ほうきし

二冊

別称 元文二年伯州村分帳(伯耆分)

成立 享保一九年以前か

原本 米子市立図書館

解説 因伯各一巻の享保期の地誌。因幡の巻に「右は享保十九甲寅ノ歳卯月十六日出立同六月八日帰宅、其節村々ニ而相尋記之由、鈴木孫三郎所持ニ付、天明四辰二月写之者也」の奥書があり、伯耆の巻は文政五年の写本。内容は村名・竈数・村高・社寺古城・支村・伝承などを記し、郷村帳の一種と判断される。原題は不詳で、表紙には異筆でそれぞれ「因幡誌」「伯耆誌」と書かれており、これを仮題とした。鈴木孫三郎は天明元年に御目付を勤めた鳥取藩士。享保一九年という年代の明確さと戸数・村高・古伝承を記録する希少価値をもつ。当資料は明治期に東伯郡八橋町藤本重郎の収集になる藤本文庫の旧蔵本。なお谷田亀寿により北条町岸本家の蔵書中より発見・紹介された元文二年伯州村分帳は、当資料の原本をもとにした別系統の写本と推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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