国民酒場(読み)こくみんさかば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国民酒場」の意味・わかりやすい解説

国民酒場
こくみんさかば

第二次世界大戦中につくられた行政指導的大衆酒場のこと。当時、酒類は統制販売制であったが、1944年(昭和19)、大蔵省が業務用酒の半分は重要産業労務者用に、あとの半分は都会地の一般勤労者用に回すことにしたので、後者用の大衆酒場が「国民酒場」の名でつくられた。酒場の数や1人当りの飲酒量は制限されたが、開店前にできる行列警視庁が取り締まるほどの大盛況であった。

[村田仁代]

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