多層式カラーフィルム(読み)たそうしきカラーフィルム(英語表記)multilayer colour film

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多層式カラーフィルム」の意味・わかりやすい解説

多層式カラーフィルム
たそうしきカラーフィルム
multilayer colour film

現在のカラー写真に使われるフィルムで,三原色のそれぞれに感じる3種の乳剤層を1枚のフィルムベース上に重ねて塗ったものをいう。たとえば撮影用カラーフィルムは,フィルムベースを基盤としてその上に下引層を塗り,続いて赤感性乳剤,緑感性乳剤,黄フィルタ層,青感性乳剤を塗って,その上に保護層を塗るが,さらに各乳剤層は2~3層に分かれ,その厚さは2μmぐらいで,全体の塗布厚は 15~30μmとする。この多層式カラーフィルムによって,普通のカメラでも1回の露光で色彩写真の撮影ができるようになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

グレーゾーン解消制度

個々の企業が新事業を始める場合に、なんらかの規制に該当するかどうかを事前に確認できる制度。2014年(平成26)施行の産業競争力強化法に基づき導入された。企業ごとに事業所管省庁へ申請し、関係省庁と調整...

グレーゾーン解消制度の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android